トップ営業マンの育成方法

「即戦力として期待して雇った営業マン。しかし彼が会社に利益をもたらしていないとわかるのは多額の資金を投資した後・・・」という経験をした経営者は少なくないでしょう。

優秀な人材を確保することは容易なことではありません。

ここでは「適切な営業マンの雇い方」「営業マン達のモチベーションを上げ、営業組織を強化する方法」をご紹介します。

目次

適切な営業マンの雇い方

雇ってしばらく時間が経過してから、最初からお互いの主意が異なっていたことを認識することになっては、それまでに費やされた時間とお金が全て無駄になってしまいます。

適切な営業マンを雇うために、まずは雇用主であるあなたが自分自身に確認すべき4つの事柄があります。

両当事者にとって意味のある会社の目標や報酬プランに関して、あなたと営業チームがきちんと同意していることを確認するのに役立ちます。

1.「新規顧客を得るための営業」か、それとも「あなたの会社が交渉中の取引を成立させるための営業か」を明確にする

「新規顧客を得る仕事を推進してもらう目的で雇うのか。」

それとも

「交渉中の契約の詳細をまとめる仕事を推進してもらう目的で雇うのか。」

営業といっても大きく分けるとまったく目的の異なる2種類の仕事内容があります。

雇うときに目的を明確にし、お互いにしっかり合意することが大切です

営業担当者がマーケティングを含む新規顧客を得ることを目的とする場合は、彼らにはリソースを処理する時間が必要となります。

たとえば、ネットワーキング、コールドコール、展示会、トレーニング、パンフレット、コンテンツ、予算が必要です。

これらに費やされる予算と時間枠を検討しておく必要があります。

2.報酬の取り決め

多くの経営者は、報酬制度について固定年俸制、コミッション制、または年俸とボーナス制にすべきかどうかを決めるのに悩みます。

営業チームの報酬のための最善の取り決めは、状況やリスク許容度の問題などによって異なりますが、きちんと取り決めることが出来ればそれぞれの状況で上手く機能します。

それには、営業担当者の報酬金額の一部または全部を何らかの業績に基づいて決定する場合は、何をどのように評価するのかを明確に決めておく必要があります。

誤解や不一致を防ぐ為に、収入と計算方法について明確にしておくことはとても重要です。

3.何を測定し、何を管理するか

優れた管理の元には、優れた営業チームと販売プロセスが成り立っています。

販売を行うことはプロセスであり、すべての適切なプロセスと同様に、チェックポイント、主要パフォーマンス指標、ターゲット、および品質尺度(品質管理をすべき対象がどのようなものか。どのように品質を測定するのか。運用基準の定義)が必要です。

進捗状況と達成状況を追跡して測定するために、販売プロセスで5〜8つの進行段階を確認します。

たとえば「どこへ突入しているのか」、「何が起こっているか」、「どこを通過しているのか」、「どうなったか」などの段階を追うことによって、「何を期待し」、「何に注意を払うべきなのか」などに関する重要なデータを得ることができます。

4.3つの重要な数値の設定

あなたが営業担当者を雇う前に、給料制、またはコミッション制にかかわらず、業績予想を前もって定義しておきます。

8~10個ほどの重要な業績の領域を明確で測定可能な用語で定義しておくことをお勧めします。

また、業績の各領域を3段階に設定します。

1段階目は「重要問題!」赤の領域

2段階目は「特に期待していない!」黄色の領域

3段階目は「素晴らしい!」緑の領域

これらを事前に定義し、営業担当が雇われた時点で明確に同意しておくことによって、営業担当との業績管理上の衝突を防ぐことができます。

数字と結果を見直せば良いのです。

誰もが数字と結果からそれが機能しているかどうかを確認することができます。

 

営業の仕事自体は大変な仕事です。

しかし、営業担当者を雇うことや、管理することに対してまで、苦労を重ねる必要はありません。

営業担当者を雇う際に上記の4点を確認し、それらに最適で、明確な答えを出すことによって、あなたの営業を管理する仕事は楽になり、営業チームはより成功するでしょう。

次に、雇った営業担当者たちのモチベーションを上げ、営業チームを強化する方法をご紹介します。

営業チームのモチベーションを向上させる6つの戦略

意欲を持った営業チームは、営業効果を発揮するチームとなります。

時に営業チームの意欲を上げるために、極端な動機づけをする営業マネージャーがいます。

たとえば、無駄に派手で大がかりな会議、高額な報酬をチラつかせる事などは営業担当者の意欲を引き出すことに繋がる効果は期待できません。

大げさで派手なことによってモチベーションの問題を解決することはできません。

営業担当者は、自分のモチベーションに影響する外部要因に日々晒されています。

顧客からひたすら断られ続けているかもしれません。

市場では取り扱っている商品やサービスの販売に適切な時期ではないかもしれません。

また、彼らの営業活動に影響を及ぼすような事件が発生することもあります。

しかし、売れるようにするためには、営業担当者は常に誇りを持ち、いつでも営業できる心の準備が必要です。

営業担当者の意欲は、生産性社内環境収益に影響されます。

営業チームの成果を向上させたい場合は、彼らの意欲を優先させることです。

営業担当者のモチベーションを高める6つの戦略は以下の通りです。

1.目標を設定する

目標設定することは当たり前の事かもしれませんが、重要なことです。

あなたから営業担当者へ、達成するための目標を与える必要があります。

目標が設定されていなければ、あなたが何を熱望しているのか、何が成功をもたらすのかが彼らにはわかりません。

容易ではないが達成可能な、手の届きそうな(現実的な)目標を選択します。

適した目標設定の目安は、達成できるだろうか…と少し不安にさせるが、同時に達成したときのことを営業担当者に想像させ興奮を与えられるのが、良い目標です。

目標としてコミッションなどの割当額を設定することが良い目標とは限りません。

コミッションなどの割当額を目標として設定することは、人によっては効果があるかもしれませんが、コンテストや個人的な目標が他の人にとっては良い選択なのかもしれません。

個々の営業担当者と協力して、何が最も効果的かを調べましょう。

2.目的に重点を置く

自分の仕事が好きな人は、自分の仕事を良くする傾向があります。

ギャラップ社によると、社員の関与度が低い組織では、生産性が18%も低下しています。

営業担当者を従事させ、あなたの会社の使命を完全に支持させることは経営者、または営業マネージャーの仕事です。

そのミッションが営業チームの各人にどのような意味を持ち、どのように役割を果たすかを説明することから始めます。

たとえば、スティーブ・ジョブズ氏は、アップルの「Think Different」の広告について、「世界を変えることができると思うほどクレイジーな人々は、本当に世界を変える人達だ」と述べています。

営業担当者に目的意識を持たせることで、彼らは自分の仕事でより勤勉に働き、ビジネスへの忠誠を鼓舞します。

3.信頼を構築する

モチベーションの基礎は信頼の上に成り立ちます。

営業チームがあなたを信用していない場合、またはあなたがチームの事を考えていないと感じている場合、彼らがインスピレーションを得て仕事を推進することは難しいでしょう。

効果的なリーダーであるためには、社員の信頼を得る必要があります。

信頼を築く最善の方法は、できる限り直接的で正直であることです。

問題が発生している場合は、チームにすぐに知らせてください。

回りくどく物事を隠そうとしないでください。

チームメンバーと一緒に働くときは、あなたは彼らをどうサポートできるかに集中してください。

叱ったり、何かを強いたりしないようにしてください。

代わりに、問題があれば一緒に解決し、営業担当者が成長し改善していくのを助けてください。

自分が高く評価されている、従事したいと彼らが感じる快適な環境を作りだしてください。

4.営業チーム以外の部署も関与させる

何か問題が生じたときに営業担当者が他の人に責任を押し付けることはありがちなことです。

マーケティング担当者が十分なリードを提供していない場合や、カスタマーサポートが顧客に迅速に対応できていない可能性などがあります。

この問題を解決するには、各部署による業務プロセスの縦割り進行をやめ、他部門との情報共有や連携を図れるように組織の仕組みを変えることです。

営業、マーケティング、カスタマーサポート、技術者を一緒に導入したとき、皆が関与することを可能とするので、部署間にある壁を取り除き、生産性を向上させます。

営業担当者は孤立することなく、お互いに協力をし合うようになるのです。

このコラボレーションによって、お互いのアプローチを調整し、結果を改善することに繋がります。

5.認識しやすい社内環境を作る

営業担当者は報酬を得ることにハングリーです。

しかし報酬とは金銭的なコミッションだけが対象なのではありません。

業績を認識されることも彼らにとってはご褒美なのです。

彼らは業績に貢献すればコミッションを得られることは初めからわかっています。

彼らの業績が社内でも認識されるような社内環境を整え、推進させる必要があります。

たとえば、営業担当Aが業績目標に達したとします。

差し入れを用意し、社内でその差し入れを楽しめるようにします。

他の社員も喜びますし、皆に業績を認識されるキッカケとなり営業担当Aの気分は良くなります。

また、まだ目標達成をしていない他の営業担当者もいつか自分も、Aの立場になりたいと感じ、モチベーションが上がります。

あなたが営業担当A個人を食事へ連れていき業績をたたえるよりも、このように皆で成功を分かち合うことができるような褒美を与える方が効果があります。

更に、この賞賛と認識は、彼ら個人個人がより一生懸命に働くようになるだけでなく、協力し合いながら一緒に働くように動機づけることができます。

6.創造的になる

営業担当者達に「何がモチベーション向上に繋がるか」と直接聞いてもよいのです。

たとえば、目標の営業成績に達したら、忘年会であなたが女装をするという約束が、彼らのモチベーションを上げることだってあり得るのです。

人のモチベーションのキッカケはそれぞれです。

何が上手くいくかは試してみるまでわかりません。

まとめ

雇う前は詳細を明確にし、後に誤解を招いて衝突をしなくてすむように心がけましましょう。

雇った後は、社内環境を良い状態することに注意を払い、社員のモチベーションを向上させ続けるように努めましょう。