経営戦略を正しく策定するための秘訣
第2回のテーマは経営戦略です。
売上アップは利益アップのための1つの方法に過ぎないと前回解説しました。
利益を上げて儲かる会社になるには次の3つの原則があります。
- 経営戦略を正しく策定する
- 利益構造を分析する
- 儲かる仕組みを作る
まずは、3つの原則のうち、最も重要な経営戦略の策定について解説します。
儲かる会社になるには、経営戦略を正しく策定することが必要
戦略と戦術の違い
戦略とは、「会社が向かう目的地」を決めることです。目的地が決まると、社長が向かっている方向が社員にもわかります。全員が同じ方向を向くことで、会社全体が一つになり儲ける力が高まります。
似た言葉に戦術があります。戦術とは、戦略を実現するための具体的な方法のことです。
以下の例は全て戦略です。
- 3年以内に売上高10億円を目指す
- 赤字の事業から撤退する
- 儲からない製品の生産を止める
いずれも目的地は決まっていますが、それを実現する具体策については述べられていません。
「3年以内に売上高10億円を目指す」という戦略を策定したとします。これを達成するために行う以下のような取り組みは、戦術になります。
- 機能を追加した新製品を開発し、既存顧客の買い替えを促す
- 展示会に出展し、新規顧客を開拓する
- 外国語対応のホームページを作り、海外への販売を行う
経営戦略の重要性
会社の中で経営戦略を立てられるのは社長だけです。他の役員や幹部の仕事は、社長の立てた戦略を実現できる戦術を作るのが仕事です。
したがって、戦術のもとになる経営戦略は非常に重要です。もし間違えてしまえば、どんなに素晴らしい戦術が作られても意味がありません。そもそも目的地が間違っているので、戦術が上手く機能して、そこに到達できたしても目的を達成することができないからです。
経営戦略の策定方法
では、どうすれば社長の立てた経営戦略が正しいかどうかわかるのでしょうか?
社長は判断材料のない中で、自身の経験や能力に基づいて戦略を策定します。したがって、実行するまで絶対に正しいと言える戦略はありません。
しかし、明らかに失敗するとわかる戦略だけは避けるようにしたいところです。
ここで、会計データが活躍します。
企業の目的は利益を獲得することなので、経営戦略も利益の獲得につながるものになります。
会計データを用いれば、立案中の経営戦略の成果を数値として見える化できるので、どれくらいの利益がアップするのか事前に知ることができます。
つまり、利益の増加につながらない経営戦略がわかるようになるので、間違った選択をする可能性が下がります。
会計というと難しくてよくわからないというイメージがあるかもしれません。
でも、大丈夫です。経営戦略を考えるうえで、経営者が見るべき数字はほんのわずかです。
経営戦略の数値化のためには利益構造の分析が必要になりますので、次回解説します。
まとめ
経営戦略を正しく策定すること、これが儲かる会社になるための第一歩です。それには、経験と勘だけでなく、会計データを用いた数値の裏付けも必要です。
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