知能指数が高い社員より、感情的知性に優れた社員があなたの会社を成功へ導く!?

感情的知性とは?

感情的知性とは心の知能指数のことです。

感情的知性を発達させることが、なぜ成功するために重要なのでしょうか?

業績が好調な人たちは、一定のプレッシャーやストレス、そして自分自身に対する期待に応える必要性に日々晒されています。自分自身が潰れることなく、プレッシャーやストレスなどを毎日抱えて仕事をするのは簡単なことではありません。感情的知性は、これらを簡単にしてくれるものです。

高い感情的知性を持っていると、自分の感情を認識・理解し、それを制御して感情を適切に表現することができます。他の人の気持ちや行動に接し、協調することができます。このスキルはリーダーシップをとる上で不可欠です。

また、他の人の感情や行動を読み取り、必要に応じて距離を保つことができるため、その人の感情に巻き込まれてしまう可能性は低くなります。落ち着いた、静かな、そして明快な状況で物事を決断することができます。習慣によってつい出てしまう反応ではなく、状況に意図的に対応することができます。

感情的知性は人生においても有利なスキルです。

感情的知性がある人は、自分自身や他人を感情的に関連付けることに優れています。

さらに、個人的な人間関係だけでなく、ビジネス上の人間関係を築くのにも役立ちます。

感情的知性の磨き方

では実際にどのような方法で感情的知性を発達させることができるのか、感情的知性の磨き方の4ステップをお伝えします。

①無意識の反応を自覚する

あなたが普段の習慣で自然と反応してしまうとき、どのように反応する癖があるでしょうか?まずはこれを知ることが第1のステップで、その習慣を変えるために不可欠です。

あなたの感情が現れたときの状況や、キッカケとなった会話の内容から、その自分の癖や特徴を観察します。そして、そのときの自分の感情を書き出し、識別するようにします。

このようにすることで、無意識の内に出ていた自分の反応に対して意識できるようになります。

無意識に習慣的な感情や反応が出ているとき、ほとんどの人は自分が怒っている、悲しんでいる、失望している、または脅かされているかどうかを認識していません。

あなたの気持ちを明確にし、識別することは、周りとのコミュニケーションを図る基盤を築きます。

②感情を内省する

ある状況に遭遇したとき、自分の感じ方を変えるためには、まず自分の考え方を変えなければなりません。

そのときの感情がどんなものであるかを明確にした後、第2のステップは、それが出現する理由、その出所、及び通常の反応を引き起こす可能性のあるものを見つけることです。

その感情の背後にある理由について、よく考えてみてください。

怒りや欲求、不満という感情は、よく考えてみると、大したことではない場合が多くあります。もしかしたら、キッカケとなったことに対して、ただ根に持ってしまっているだけかもしれません。または、自我が脅かされ、自分自身を守りたいのかもしれません。

自分自身に対し、もっと正直になることができれば、感情の根源により早く到達できます。また、感情の根源を理解することで、新たな視点を得ることができます。

③自分の感情を制御する

第3のステップは、周囲の人達とともにに最善の結果へ到達するために、状況に対してどのように反応するかを意識的に選択して、自分の感情を制御することです。

例えば、難しい案件について会議をしているのであれば、「短いトイレ休憩時間の後に、私は話を続けます」と他の人に知らせます。そして、部屋を出てその状況をいったん脱したところで、深呼吸をし、感情を落ち着かせます。

どのように対応できるか、複数の方法を検討し、それぞれの行動をとった場合の、コストとメリットを検討します。

自分自身をしっかりとコントロールしましょう。

自我を貫くことに専念してしまってはいませんか?

相手が理解できるように話を進めて、問題に対する解決策を見つけるようにしていますか?

まだ頭に血が上っているとしたら「自分は感情や論理に任せて反応しても良いのか?」と改めて自分に向かって問いかけてみましょう。

しかし、あなたがどの方法を選択しても、結果は自分の行動しだいであるいうことは肝に銘じておきましょう。

④感情を適切に表現する

感情的知性をさらに磨くための第4のステップは、あなたの感情を抑圧せずに、適切に表現する方法を学ぶことです。

状況に意識的に反応するためには、あなたの感情を相手に伝えてコミュニケーションをとります。

信頼と結びつきを高めるために、自分自身や相手に対して正直になりましょう。

「私は頭ごなしに決め付けることはしないので、あなたの信念と感情を私にも共有してもらいたい、一緒に前向きに進みたい」という意思を相手へ伝えます。

感情的知性を、一晩で得ることはできません。感情的知性は日常から作り出される習慣です。感情が高まっているときのみに注意するのではなく、普段から状況を観察することで、新しい視点を得ることができるようになります。

自分自身や他者をよりよく理解する機会を増やしていくのが、関係構築するための鍵です。

感情にコントロールされるのではなく、自分の感情を自分自身がコントロールしながら、適切に相手へ表現することは、ビジネスやリーダーシップ、コミュニケーション、そして幸福の創造のすべてにおいて成果をもたらします。

感情的知性が優れた人を採用する方法

あなたが人を採用する際、「学歴や英語力なら判断材料があるけど、感情的知性がある人を採用するにはどうすればいいの?」と悩まれるかもしれません。

以下では、採用面接のときに、面接者のどこに注目をすれば良いのか、どのような質問をすれば良いのかについて説明します。

自己認識があること

感情的知性が高い人に不可欠なのは自己認識です。

自己認識の程度が高い人は、自分の感情、強み、弱み、そしてそれらを動かす物事をしっかりと理解しています。過度に批判的でも非現実的でもなく、このような人は自分自身や他人に対し正直です。自分の感情が自分自身や周囲の他の人々、そして職場のパフォーマンスに対してどのような影響を与えるかを認識しています。

また、彼らは価値観や目標をよく理解しています。自信を持っていまずが、自分の限界も認識しているので失敗することが少ないです。

自己認識のある人は率直に、そして非防衛的に自分自身について話すことが特徴です。

面接者にするべき質問は「人と話をしている最中に、感情に流されてしまって言い過ぎてしまい、家に戻ってから後悔したときのこと」を尋ねることです。

自己認識のある人は率直に答えてくれます。特にユーモアを交えて答えてくれる人は、良い自己認識を持っています。

反対に注意すべき人は、回答を避けようとした人、イラっとしたように見える人、またはムッとした人です。

感情をコントロールする能力

全ての人が感情的になることがあり、その感情を完全になくすことはできません。

感情的知性が優れた人も他の人と同じくらい、気分を害したり衝動にかられることがありますが、彼らは感情的に反応することはありません。

一方、感情をコントロールできない人は、自分の否定的な気持ちを態度に表し、周囲を巻き込んで雰囲気を壊します。思考する前に、感情で反応するため、自分の感情を覆すための時間をとることはありません。

感情を自己調節できる人は、自分の感情が落ち着くまで待つことができるので、単に感情的に反応するのではなく、理性をもって対応することができます。

そういった自制に優れた人の兆しは「内省」「思いやり」「適度な慰め」「すべての答えを持っていないこと」などです。

面接では、即答せず、答えを出す前に少し時間をかけて考える人に注目してください。

共感力

共感力は、採用時に確認すべき、もう一つの重要な側面です。

共感力を持っている人は、他の人の気持ちを認識し、その言葉や行動の意味を考えます。

これは、誰かの気持ちを傷つけることを恐れて発言を行わなかったり、厳しい意思決定をしなかったりすることを意味するものではありません。

共感のできる人は自分自身の心配や懸念を周囲の人と共有し、他者の感情をオープンに認めることができます。

面接時に「共感力」を確認する良い方法は、「同僚が面接者に対し怒っていた状況とその対処方法」について質問することです。

たとえ、面接者が同僚が怒っているその理由に対して納得できない場合でも、同僚の怒りの原因を理解する意欲があるかどうかに注目します。

ソーシャル・スキル

ソーシャル・スキルは、職場で非常に重要となる感情的知性の別の領域です。

優れたソーシャル・スキルを身につけるには、前述のスキルだけでなく、幅広い人々との共通点を関連づけて見つけることのできる能力が必要です。

ソーシャル・スキルは単に親切にすることや、他の人と仲良くできる能力を超えるものです。

ソーシャル・スキルを持つ人々は、優れたチームプレイヤーです。議題を議論に沿って動かす能力があります。議題に集中し、同時にグループの感情的な上がり下がりを認識しながら、それに対応する能力を持っています。

これらの人々は、人とのつながりを作り、ネットワーキングし、人を集めてプロジェクトに取り組むことに優れています。彼らは感情的知性をより大きな分野で使うことができるのです。

面接時にソーシャル・スキルを確認する方法は、これまでに取り組んだプロジェクトに関する計画や行動、あるいは、顧客の気持ちを購入へ導く中で遭遇した困難などについての質問をしてみてください。

感情的知性が優れたチームを作るための5つの方法

次に、ビジネス上で利害が衝突したときの解決に役立つ感情的知性が優れたチームについて、どのように作れば良いかを説明します。

①優れたリーダーを任命する

どのようなリーダーが優れているのでしょうか?

リーダーを任命する際、実績、能力、知識など色々なリーダーシップの特性が注目される中、感情的知性は以下のように重要な特性であるにもかかわらず、見落とされがちです。

  • 自分を自覚し、自分の強みと弱みを理解し、感情を知ることができる
  • 落ち着きを保つことができる
  • 自分の考えを明確に表現できる
  • 周りに何が起こっているかを認識できる
  • 対立を処理し、解決を提供できる

感情的知性が優れた人がトップにいると、チームメンバーから尊敬を得ることができ、彼らの感情的知性の成長を促すこともできます。

②チームに充実感を与える

この仕事(プロジェクト)がチームメンバーの生活にどのような恩恵をもたらすかを伝え、各自のやる気を引き起こします。

やる気を引き起こさせる方法は、チームメンバーを仕事に対し情熱的にさせることです。

例えば、以下のように方法があります。

  • 会社(または、プロジェクト・チーム)の環境に合った適切な人々を集め、維持する
  • チームが達成した偉大な仕事のすべてを認識する
  • 協力的で柔軟性のある魅力的な職場環境を構築する

チームが情熱的になり、プロジェクトが彼らにとって意味のあるものであれば、彼らは組織の目的をより受け入れる傾向があります。

③チーム構築の練習を実践する

あなたのチームで感情的知性を発達させる練習方法があります。

あなたのチームがお互いの精神的な習慣やパターンをよりよく理解できるようにする、数々の即興ゲームや演習も数々あります。

詳しくは、感情的知性を鍛える訓練方法をご覧ください。

④チームの鬱憤が溜まらないようにする

チームメンバーに自分の気持ちを認識させるだけでなく、気持ちを表現させる機会を与えてください。

たとえば、自分の気持ちを書き留めたり、どのような事象に遭遇しているかを、お互いに尋ね合うように促します。

チームメンバーには休憩を与え、問題になる前に衝突を解決し、充実した楽しい時間を過ごし、過労が原因となるストレスのない職場を作り出すようにします。

⑤利害の衝突に健全に対処する

チームメンバーに利害の衝突に対する健全な対処方法を教えます。衝突が決して個人的なものにならないようにするために、周りのチームメンバーの参加の元、それぞれの言い分を聞く時間を設けます。その際、1人が話している時は、周りのメンバー全員はその人の話を聞くように、各自の時間を設けることが必要です。

感情的知性の優れた人々は、健全な方法で利害の衝突に対処する方法を知っています。そこでは、誰もが自分の意見を伝えるときにすべての視点が尊重されます。

このような利害の衝突は、個人やグループ内の人々を強化し、個人的な成長につながる可能性があります。

まとめ

カーネギー工科大学のリサーチによると、財政的成功の85%は「人間工学」のスキル、つまり人格、コミュニケーション力、交渉力、リーダーシップなどの能力が要因です。そしてわずか15%が技術的能力に起因するものでした。

言い換えれば、感情的知性に特化した人々のスキルが、成功にとって重要なスキルということになります。

近年、アメリカの大学や企業は、学力が高く学校の成績が良い人よりも、感情的知性に優れた人を待遇する傾向が高いです。

人工知能では賄えない、人としてのスキルがますます重視されています。

あなたも、似たようなサービスや商品に出会った時に、一方の担当者に人として好感を持ったため、その人のサービスや商品が他社よりも多少高値だったにも関わらず、その担当者から購入したという経験はありませんか?

その担当者のことを今一度思い出してみてください。感情的知性の優れた方だったのではないでしょうか?

これを機会に、感情的知性の優れた社員の育成、または採用をしてみてはいかがでしょうか。

感情的知性の高い従業員を採用し、従業員が一生働ける環境の会社づくりをするためには、財務基盤を固めることも必要です。従業員に財務がわかる人がいない、財務の専門家が必要ということがあれば、当社にお声がけください。会計や税務だけでなく、財務、保険、銀行取引やITにも強い公認会計士が、あなたの会社の発展のため、全力で支援させていただきます。

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