会計はなぜ経営にとって重要なのか?

会計をしっかりと行うことは、会社を経営していくうえで大切であるということは直感的にはわかっていると思います。

しかし、本質的に何が大切なのか?と問われるとわからないという方は多いのではないでしょうか?

営利企業の目的は「利益追求」、すなわち売上を最大にし、経費を最小にすることにあります。
会計はこの利益追求という目的を達成するための手段の1つです。

今回は、経営における会計の役割について説明していきたいと思います。

目次

会計の役割① 過去を記録し検証する

会社経営は判断の連続です。

これまでに行ってきた判断が正しかったのかどうかについては、結果を振り返り検証しないことにはわかりません。

そのためには、まずは会計帳簿を見直すことが必要となります。

会社の取引はすべて、金額に変換されて会計帳簿に記録されているからです。

経営者が判断し実行した事柄については、会計帳簿に必ず結果が現れてきますので、これを検証していきます。

例えば、ある商品の値下げという判断を行い実行した場合、売上高は増加したが粗利益は減少したという形で結果がでるかもしれません。

一方で売上高が減少してしまうということもあるかもしれませんし、売上高も粗利益にも大きな変化もないということもありえます。

しかし、いずれにしても経営者の判断の結果であることには変わりがないため、その結果について検証し、今後の経営判断に役立てていくことが可能です。

なお、現代における経済環境の変化は速く、何事においてもスピードが求められるようになってきています。

したがって、経営判断の検証は月次決算書を作成して毎月行うことが基本となります。

何が正しくて何が正しくないのか、会計は経営者の判断の依り処となります。

会計の役割② 現在の状態を知る

会計は会社の目標(ゴール)に正しく到達するための手段の一つです。

道に迷うことなくゴールにたどり着くためには地図が必要となりますが、会社経営においてこの役割を果たすのが会計です。

特に、今いる場所がどこなのかわかっていなければ、どんなに正確な地図を持っていたとしても迷子になってしまいます。

これを会社経営に置き換えると、ゴールを目指しこれから進むべき方向を決める前には、自分達の会社が現在どのような状態にあるのかを知らなければならないということになります。

例えば、自由に使える資金がどれくらいあるのか、収入と支出の金額はどれくらいなのかということを正しく把握しなければ、ゴールにたどり着く前に迷子になってしまいます。

最悪の場合には資金繰りに行き詰まり破綻してしまうという可能性もあります。

今後の経営判断を行うための材料として、会計を用いて現在の状態を知っておくことが重要となります。

ここでも月次決算書が役に立ちますが、現在の位置関係を素早く、かつ正確に把握するためには、月次決算にもスピードと正確性が同時に求められます。

会計の役割③ 未来の進むべき方向を定める

過去を検証し、現在の状態を把握したら、これから進むべき方向を決めることができます。

実は、この役割こそが会社が成長していくために最も重要となるもので、中長期経営計画や予算という形で言語化します。

なお、経営計画と予算の違いはどの程度の長さの未来を描くかの違いであり、長期経営計画は5年間、中期経営計画は3年間、そして予算(短期経営計画)は1年間の長さで作成することが一般的です。

経営者は中長期経営計画や予算を作成することにより、将来達成すべき自分の「意志」を明確にするとともに、これから起こるであろうことの「仮説」を立てることができます。

作成された経営計画や予算は社員に伝達します。

この時に重要なことは社員全員が同じ方向を向くことができるように伝えることです。

社員の向いている方向(ベクトル)がバラバラでは、個々の強みを打ち消してしまって、どの方向にも進めないということもありえます。

経営計画や予算の要となる数値については重点的に、かつ、繰り返し伝えることにより、社員のベクトルを合わせることができます。

このように、会計は会社の目指す未来を伝えるためのコミュニケーションの手段となります。

まとめ

現代の経営者は、自社の経営の実態を正確に把握したうえで的確な判断を下すことが求められます。

そのためには、経営者自身が会計についてもっと知っておく必要があります。

会計はお金に関わる事項を単に記録しただけのものでも、会計士や税理士といった会計専門家に任せきりにしておけば良いものでもありません。

技術力や資金力、営業力のみでは企業の永続的な成長を実現することはできません。