資金繰りのコンセプトと機能

資金繰りとは?資金繰り管理の重要性はこちら

資金繰り悪化の原因とその改善策25選はこちら

目次

資金繰りのコンセプト

中小企業がビジネスを成功させ、会社を成長させるためには、資金繰りのコンセプトをいかにうまく把握するかが重要です。

ここで言うコンセプトとは、資金繰りを考えるうえで知っておくべき知識のことを意味します。

決算書を読み、ビジネスが利益を上げているかどうかを判断する方法だけでは十分な資金繰りはできません。

より幅広い概念や考え方を理解することで、業務をより効率的に管理し、会社全体で賢明な資金繰りの意思決定を行うことができます。

キャッシュ・フローの力

キャッシュ・フローとは、収益を介して会社に流入する現金と、支払の形で払い出される現金のことです。

払い出される現金の額とは対照的に、収入の額が高くなればなるほど、企業の財務的な健全性は高まり資金繰りが良くなります。

キャッシュ・フローを改善する方法には、請求書の支払いを最終支払期日まで待つこと等があります。

リスク対利益

ビジネスにおける最大の利益は、財務リスクを抱えることを厭わない人によってもたらされることがあります。

何らかの利益を得ようとする場合には、相応のリスクを伴うことが通常なのです。

例えば、ビジネスを拡大する決断をすることを考えてみます。

あなたのビジネスは現在上手くいっているかもしれませんが、飽和地点に達している可能性もあります。

そのような状況であなたのビジネスを成長させるためには、より大きな施設を建設するための費用を負担するというリスクを負わなければならないかもしれません。

時間の価値

支払いを期日ギリギリまで待つことと同じくらい、支払いを早く受け取ることができることは重要です。

これだけでもキャッシュ・フローは改善し、資金繰りを楽にする効果があります。

融資と株式出資

資金調達をする必要がある場合は、融資と株式出資のどちらの形態がより適切かを判断する必要があります。

融資とは、銀行借入など、返済する必要のある資金を借りることです。

一方、株式出資とは、経営に必要な資本を提供する投資家を得ることで、この場合調達した資金を返済する必要はありません。

その代わり、株式出資はビジネスの主要な決定権の一部を資金を拠出する投資家に与える必要があるかもしれません。

機会費用

複数の選択肢から、同一期間中に利益を生むある選択肢とそれ以外の選択肢との利益の差を機会費用と言います。

飲食店の事業拡大を例に説明します。

事業拡大のためには現在の店舗を改装してお店に入れる客数を増やす選択肢と、あらたな地域に新規出店する選択肢があり、資金的にどちらかの方法しかとれないと仮定します。

経営者はあらたな地域への出店を選びましたが、実は現在の店舗を改装した方が利益が大きかった可能性があります。

このとき、店舗改装をしていれば得られたはずの利益と、現在の利益との差が機会費用です。

資金繰りの機能

多くの人々は子供の頃から財務に関する知識を得ています。

「お小遣い」と引き換えに家事の手伝いをするという取引は財務の基本的な認識を作り出します。

子供は欲しいおもちゃを買うために、資金繰りをしているのです。

大人になり、「お小遣い」から「収入」へと言葉は変わりますが、ビジネスを通してあなたは引き続き資金繰りをします。

資金繰りはあなたの会社が成長するために多くの重要な機能を果たします。

財務目標と財務戦略

全てのビジネスは組織的な目標を持っているため、全てのビジネスに肝心な要があります。

資金繰りは、企業が財務目標を定義するのに役立ち、ビジネス成功のための意志決定を支援する要となります。

財務目標を設定することによって、企業は収益性が限界に達したのか、停滞しているのかを知ることができます。

上手く設計された戦略がなければ、企業には収益増加を達成するためのノウハウがない可能性があります。

財務戦略は会社の目標に結びついているため、資金繰りは会社が収益を上げるために重要です。

財務計画

財務計画は、企業が経営に当たりどのくらいの金額を必要としているかを判断するプロセスです。

例:
· 景気が悪化したときに会社を維持するためにどれくらいの資金を準備しておくべきか。
· 会社がどのように融資や収益を受け取るか。
· どのように、お金を調達し、組織全体にお金を配分すべきか。

予算編成は、基本的な財務計画ツールです。

目標を達成するための取り組みにしたがって資金繰りが行われます。

特定の費用のためにどのくらいの金額が想定されているのかを表す予算表は項目ごとにスプレッドシートを用いて作成されます。

これは、企業の支出の見直しやコスト削減に役立つだけでなく、財務活動を順調に保つことにも役立ちます。

財務予測

企業の業績は財務予測に依存していると説明しています。

財務予測は、企業の将来の財務状況を計算する予報の一種です。

財務予測では企業が将来において利益を稼ぐことができるかどうかが予報されるため、銀行や投資家は強い関心があります。

経営者は財務予測を使用することで、会社の将来の成長をより実感できるような新しい戦略を開発することができます。

資金繰りの種類

市場の多くの資金源は、小規模、大規模、新規および既存事業のニーズに合わせて設計されています。

ビジネスを成長させるためには、新規事業への参入・仕入れ・事業の拡大をより効率的で収益性の高いものにするための十分な資金が必要となります。

多くの企業は、ビジネスを開始したり、日々の業務に資金を使用したり、企業の発展と成長を促進するために資金繰りに直面しています。

多くの起業家が自分の資金で家族や友人の助けを借りて事業を始めることは珍しいことではありません。

しかし、ビジネスを成長させるには、在庫の仕入れ、技術のアップグレードなどをするための資金が必要です。

そのような場合には、自社で稼ぎ出したキャッシュ・フローだけでは不十分であることがあります。

通常、このような企業はさらなる成長のために外部からの資金調達を行うことになります。

資金調達は、長期融資、短期融資、設備資金調達、債権買取、エンジェル投資家からの出資やクレジットカードローンを含む複数の形で利用可能です。

長期融資は、事業の拡大、買収、または運転資本のための資金を必要とする多くの企業にとって非常に人気のある融資であり、借り換えにも使用することができます。

このタイプの借入は、通常、その資金で購入する資産・事業の有効ライフサイクルに基づいて一定期間にわたって返済されます。

債権買取は、売掛金の売却により資金を調達する方法です。

売掛金は、商品の譲渡やサービスは提供済みで、代金を請求済みであるにも関わらず、まだ支払いを受けていない債権のことです。

債権買取は、その売掛金を専門会社(ファクタリング会社)が買い取る取引で、一般的には以下の流れで行われます。

1. ファクタリング会社から売掛金保有会社に売掛金が支払期日前に支払われます。
2. 支払期日には売掛先の会社からファクタリング会社へ支払われます。
3. 売掛金保有会社からファクタリング会社へ手数料が支払われます。

エンジェル投資家は、通常、新興企業や潜在的に画期的な商品やサービスを持つ企業に資本を投資する意欲のある民間の出身者です。

このグループは、ベンチャーキャピタルの資金調達額を上回る額をすべてのタイプの企業に投資しています。

企業は、別の資金調達手段としてクレジットカードを利用することができます。

クレジットカードには年会費がないものや、ポイント制などの報酬プログラムと多額の与信限度を提供しているものがあります。

クレジットカードを使用してビジネス経費を追跡し、管理するだけでなく、キャッシュ・フロー危機の時に、クレジットカードを使用することもできます。