資金繰り管理の重要性

資金繰りに悩まされることなく、経営に集中できたとしたらどうでしょう?
そんなことができたら、あなたの会社の売上や利益も増加し、ビジネスを拡大することができると思いませんか?

でも実際には、仕入先への代金の支払期日にお金が用意できていないから、銀行や知人のところを回ってお金を何とか工面したという経験をお持ちの経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

どのようにしたら、資金繰りに悩まされることがなくなるのか、様々な観点から解説していきます。

まずは、資金繰り管理の重要性とそのメリットについて確認しましょう。

目次

企業の倒産を防ぐ

資金繰り表を作成して、将来の資金繰りを予測する一番の目的は、倒産を防止して企業を存続させることにあります。

倒産を防止するということは、経営者のためだけではなく、自社の従業員や取引先の企業を守るという観点でも重要です。
あなたの会社が存在することで、誰に利益がもたらされているか少し考えてみてください。

経営者、従業員、社会、取引先等、様々な人々に利益がもたらされていることがわかると思います。

しかし、会社が倒産すれば、このような関係者全員に不利益をもたらすことになります。経営者にはこのような関係者の利益を守る責任もあるのです。

では、どのようにしたら企業を倒産させないようにできるのでしょうか?

黒字倒産という言葉があるように、会社に利益が出ていたとしても支払いができなくなれば、会社は倒産してしまいます。これは、売上が増加しているか、あるいは、利益が出ているのかという損益だけに注目していては危険だということも意味します。

また、1ヶ月を通して見れば収支はプラスという場合でも、支払いが先に来てその後に入金が来る場合には、そのタイミングで支払いができないことがありますの要注意です。

資金不足による倒産を防止するためには、資金繰り表を作成して将来の支払いを把握することが重要となります。そうすれば、資金不足が起きうる状況を事前に察知し対応できるようになります。

これは、病気の予防に例えるとわかりやすいです。生活習慣に気を付けたり、定期的に健康診断に行くなど、事前に手を打っておけば重い病気の発症を抑えられます。ところが、一度病気になってしまうと、それを治すのには多くのお金や時間が必要となります。

資金繰りの対策もこれと同じで、資金繰り表によって現状を見える化し、大きな問題が生じていないうちに対策することが重要です。

経営に集中できる

経営の目的は資金繰りをすることではありません。前述したような関係者の利益を最大化することが経営の目的であるため、経営者は多くの時間をその目的のために使うべきです。

また、資金繰りに悩まされることなく自由に経営ができるというのは、経営者にとって、とても理想的な状態ではないでしょうか?

逆説的ですが、資金繰りに割く時間を減らすためには、しっかりとした資金繰り管理を行うことが重要です。資金繰り管理を仕組化することで管理レベルが上昇すれば、そのために必要な時間は減少します。

お金の心配をする必要がなくなるというメリットは計り知れません。次の支払いをどうやって乗り越えよう、と頭を悩ませるなくなることもそうですが、新しい事業や試みをするときに自由に使えるお金があるというのは企業が成長するうえで大きな強みとなります。

経営者が経営に集中できる結果、企業の業績は確実に上昇します。多くの経営者は資金管理よりも営業や新規商品・サービスの開発の方が得意な傾向があります。

苦手な分野ではなく得意な分野だけに経営者の資源を投入することで、それが可能となります。

企業の信頼性が向上する

当たり前のことではありますが、お金の管理がしっかりしているということは企業の信頼性向上にもつながります。誰でもお金の管理がルーズな人とは付き合いたくないと思いませんか?

お金の管理がしっかりできていれば、取引先や銀行が安心して取引に応じてくれるというメリットがあります。当然ながら、資金管理ができていない会社と付き合えば、支払いをしてもらえないリスクを伴います。たとえ取引金額が大きく自社に利益をもたらす可能性が高かったとしても、そのような会社では敬遠されてしまいます。

また、取引先や銀行からの信頼が高ければ、いざ困ったときに助けてもらうことも可能となります。普段から信頼を得られるような付き合い方ができているからこそ、一時的に支払いができないときに支払いを待ってもらうことや、新規の資金が必要となったときに融資を受けることも可能となります。

まとめ

以上のように、資金繰り管理をしっかりすることで様々なメリットを享受することができいます。
倒産の防止という守りの要素だけではなく、会社の成長を実現するための攻めの経営をするためにも、資金繰りの管理は非常に重要となります。